夏野菜の苗づくり
4月~5月はどんどん暖かくなり、夏野菜の定植で大忙しですね。
トマト、ナス、ピーマンなどの代表的な夏野菜をはじめ、スイートコーン、スイカ、カボチャ、ズッキーニ、サツマイモなどもこの時期に定植です。
市販苗の農薬って気にしてる?
近頃は家庭菜園が流行しているので、ホームセンターでもたくさんの苗が販売されています。買ってその日に定植できるのでとても便利ですが、自然派志向の人は要注意です。実は、育苗期間中に苗農家さんでは、意外と複数の農薬を使用していることが多いんです。
まず、種にも農薬は使われています。
播種前の保存中に虫に食われたり、温度差や湿度によって品質劣化をおこさないように、この段階で農薬でコーティングされているものが結構あります。
さらに、芽が生えて店頭に並ぶまでの間に数回は農薬が使われています。JA産直の苗売り場では、育苗期間中に使用した農薬を明記して販売しているところもありますので、なるべく無農薬で育てたいとお考えの方はぜひ注意してご覧ください。
もちろん認可農薬しか使用していないはずですのでご安心ください。定植して実が成るころまで残留しているような農薬もありませんのでご安心を。
夏野菜の苗づくりは冬から
苗づくりはハウスなど暖かい環境があるところで行ってください。発砲スチロールとビニールで自家製温室を作るのも面白いかもしれません。
2月上旬にトウモロコシ、ナス、トマト、ピーマンなどを播種します。
特にトウモロコシは4月に定植すると6月下旬か~7月初旬には収穫可能です。そうすることで、アワノメイガという害虫の最盛期とトウモロコシの収穫時期をずらすことができます。実際の育成時期よりの早めの作付けになるので、防寒対策は念入りに行います。プロ農家さんが使うような保温用電熱線があるといいですが、たいていの人は持っていませんので、2月~3月の育苗期k間中はビニールを2枚かけて保温するようにしてください。
3月にはカボチャ、スイカなどの瓜系を播種します。
瓜系はカビ菌に弱いので、ビニール内で通気性が悪いと、すぐにうどんこ病にかかってしまいます。白いカビ菌の斑点がでます。見つけ次第、葉を切って様子見をしますが、たいていは再発してしまいます。繁殖する前に木酢液や発酵液などで予防しておくことをお勧めします。
こだわり野菜は採種から
前項でも書きましたが、無農薬を徹底したくても購入した種にもう農薬コーティングされていることが多いです。そうした時は、自分で種を収穫しておきましょう。自分の畑で採取した生粋の無農薬野菜が翌年から作ることができます。採種したい野菜を執着せずに畑に置いておくだけなので、難しいことはありません。ナスやトマトなどの実のなる野菜は完熟を通り越して萎れるくらいまで放置すると、しっかり膨らんだいい種が採れます。注意が必要なのは、収穫時を逃すと鳥に種を食べられてしまう白菜、小松菜、大根など。アブラナ科の種は大好物のようで、タイミングが大切です。だいぶ膨らんできたから枯れたら収穫どきだな~とみていると、数日後に見るも無残に食い散らかされていたことがありました。鳥がかじったら間違いなく収穫してもいいかもしれません。いい目安になるかも。
一番簡単なのは、畑で種を保存する方法。というか花が咲いて実が成って、種もそのまま地面に放置しておいて、翌年芽がでたらラッキー♪という作戦。枯れ果てるまで放っておくくらいの感覚でいないといけないので、採種ようの場所を決めて通常の畝とは分けておいたほうがいいかもしれません。ほったらかし農法としては一番のお勧めですが、豪雨や寒波など天候によって左右されるので、採種のほうが確実ではあります。
※品種改良した苗からの採種は、翌年は先祖返りすることがあります。特にトマトは数種類の品種がでてくるともいわれています。数年、採種を繰り返すことで畑に馴染んだ品種に安定していくそうですので、根気よく続けてみてください。