ナスやピーマンの収穫量を高める育て方

春が来ると夏野菜の栽培準備があわただしく始まりますね。
一般的な暖地では、露地栽培の定植は4月下旬から5月ごろですから、4月上旬から堆肥を入れて肥料を入れて…と順に作業をされる方が多いと思います。さらに作付け前の2月にひと手間加えておくことで、夏野菜の収穫量が大きく変わります!ぜひお試しください。
今回は、長ナスやピーマンなどナス科の収穫量を高める3つのコツをお伝えします!

1、株の夏疲れを助ける堆肥溝

基本的には下記する育て方で200本越えは確実なのですが、秋の収穫量に差が出るコツは冬の土づくりなんです。2月から遅くても3月上旬には終わらせたい作業です。作付けする場所が決まったら、1mの溝を掘ります。機械があれば楽ですが、プロ用溝掘り道具がそろっている人は少ないと思いますので、鍬やスコップでがんばって掘ります。その場合は50cmでも十分です。無理はしないでください。溝に堆肥と切った藁を入れます。もしあれば籾殻やボカシ肥もいれてください。あとは埋め戻して春を待ちます。この堆肥は土中にゆっくりじっくりなじんでいき、ナスの株が大きくなり根が伸びてきた収穫後半に真価を発揮ます。

2、収穫量を高める枝の伸ばし方

ナス科の野菜は育て方次第で長くたくさん収穫ができます。これから伝える枝の仕立て方は、ナス農家さんも行っているプロの技術です。2年ほど試してみたのですが、特にナスは上手に枝を仕立てると初夏から秋までの間に200本以上も収穫できることを実証しました!
プロの技というと難しそうですが、ナスやピーマンの枝の伸び方には一定の規則性があるんです。その規則を理解したうえで、剪定の方法を実践すれば大丈夫です!

POINT1:伸びる性質を活かし4本立てにする。
枝の仕立て方は、本やネットで調べると2本仕立てや3本仕立てなどいろいろあります。私は断然、4本仕立てをお勧めします。それぞれの野菜で特徴がありますが、どちらも分岐の目印にするのは一番花。ナスは花の下にある枝が勢いよく伸びる性質があるので、花下の枝を伸ばし、次に二番花の下の枝を伸ばして主軸にします。ピーマンは花を中央に2つに分岐しますので、そのまま伸ばし、二番花のところも2つに分岐するので主軸の4本を決めます。伸ばす枝が決まったら、一番花は栄養をたっぷり取られるので、枝に栄養を回すために切り取る。また、株元がかげると元気がなくなるので、茂ってきたら真ん中に陽が当たるように枝を切るようにしてください。特にピーマンはどんどん枝が増えるので、主軸の4本がわかりづらくなりますが、気にせず株元に向かって伸びる枝を切り落としてください。

POINT2:側枝に実は一つだけにする。(ナスのみ)
この技を覚えておくと、ナスの収穫量は確実にアップします! 4本の主枝を決めたら、主枝から生えてくる側枝のナスを効率よく収穫します。側枝にナスの花を見つけたら、花の上ひとつ目の葉を残し新芽を摘んでおきます。花下の枝は勢いがあるので葉を残し芽を摘んでおきます。側枝の実を収穫したら、枝元から伸びている新しい枝を残し切り戻しておきます。このひと手間が秋まで長~く収穫するための最大のコツです。ちなみにピーマンはどんどん花が付くので、実ったらどんどん収穫しましょう。枝が伸びすぎて自分で日当たりがわるくして虫や病気の原因を作ってしまうので、茂りすぎたら株元に向いている枝を切り風通しを良くします。

3、収穫量を保つ追肥のタイミング

夏の果菜類はどんどん実がなります。成長とともに吸収される肥料に加え、夏は雨も多く、水と一緒に肥料が流出してしまいますので、こまめに追肥することをお勧めします。特にナスは「肥料食い」という異名をもつ野菜でもあります。まずは、実がなり始めたときに追肥をします。梅雨明けにも追肥をします。収穫量がピークになる夏本番7月下旬~8月上旬にも追肥をします。さらに、2週間後の真夏日の厳しい8月下旬ごろにも追肥をします。さらに9月になり涼しくなってきたな~と思ったころにも追肥をします。家庭菜園ではここまで何度も追肥をすることはないですよね。多くても2回じゃないでしょうか?普通の野菜はこんなに肥料をやると逆効果なこともあるのですが、ナスは別格です。ちなみに、ピーマンはこの半分でも大丈夫です。

これでおいしい秋ナスにありつけます♪
どうぞお試しください。

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