タカノツメの育て方【ナス科トウガラシ属】

夏になると辛味のあるものが食べたくなりますよね。近年、多種多様なトウガラシが香辛料として使用されて激辛ブームも激しくなってしますが、もともと日本では江戸時代に観賞用唐辛子として輸入されました。もともとはコロンブスが中南米で発見し持ち帰ってきたと言われています。暑い季節に適していて、霜が降りる頃には枯れてしまいますので、鮮やかに色づいたら早めに収穫して日陰干しをして保存しましょう。

苗づくり

発芽地温が25℃~30℃と高いので、露地よりもハウスやトンネルなどビニールの中での育苗をお勧めします。受付前日に種を湿らせて暖かいところに置いておきます。床暖房に毛布をしいた中や、コタツの中でも大丈夫です。昔の人は湿らせたガーゼにハンカチにくるんで腹巻の中に入れて人肌で温めていたそうです。
お勧めはセルトレイに一粒まきです。本葉が5枚程度になったら、ポットに植替え10cm程度になるまで暖かいところで育てます。
ポットの場合は間隔をあけて4粒入れて、本葉5枚程度になったら、1ポット1苗になるようひとつずつ植替えします。
トンネル内で直植えする場合は20cm間隔で4粒ずつ点撒きします。本葉5枚程度で間引きして、一本にしておきます。
とにかく寒さに弱く、冷えると成長が著しく遅くなります。発芽から定植まで約2カ月ほどかかるので、沢山育てない方は苗を購入したほうが手間がかからないかと思います。

定植

日当たりのいい場所を選びます。酸性土に弱いので苦土石灰や牡蠣殻などを早めに入れてphを整えておく。
株間は45cm程度。畝幅60cmで一条植えにするか、畝幅90cmで千鳥で2条植えします。充分に気温が上がる4月中旬以降が植え付けの適期です。気温が低いと初期の生育が阻害され、その後の生育にも足を引っ張ってしまいますので、十分に暖かくなってから定植しましょう。
※注意:連作障害がおこりやすいので、昨年唐辛子を作ったところは避けましょう。また、同じナス科の植物を植えた土壌でも育ちが悪くなります。ナス、トマト、ピーマン等を育てていない場所にしましょう。

整枝・追肥

実つきをよくするために、栄養を上にいかせるためにわき芽をとります。一番花より下のわき芽はすべてかき取ります。根張りが弱いので支柱などで支えてやるとよい。真夏の乾燥に弱いため、表面が乾いたらたっぷりと水を与えるとよい。根元には敷き藁などをして乾燥を防ぐとよい。
食用にする場合は、実を大きく育てるため実が成り始めたころに一回目の追肥をする。その後は3週間に1回程度にする。化学肥料30g/㎡を与える。

収穫

緑の未熟果の状態でも利用することができますが、非常に辛みが強いので注意してください。一般的には、赤く熟したものを収穫します。はさみなどで一つずつとり、陰干しします。全体が赤くなったら、株ごと収穫して葉を落として日陰干しして保存する。
来年の種にできますので、大きなものを赤黒くなるまで熟してから収穫するとよい。

栄養・効能

唐辛子の刺激は胃腸をも刺激し、消化液の分泌を促すことになり消化を進めます。また、食欲を増進させる働きもあるとされます。食べ過ぎると胃腸の粘膜を荒らすことになりますが、スパイスとして少量を効かせることで、食欲が落ちる夏などの食欲増進に効果的です。また、適量のカプサイシンには胃壁を保護する作用もああります。食欲増進だけでなく、発汗を促すことから、脂肪を燃焼して代謝を高めることからダイエットにも効果が高いと評判です。
さらに、意外なことに唐辛子はビタミンA、B2、Eや鉄分・カリウムなどのミネラルも豊富に含んでいて、夏バテ予防にも期待がもてます。強い抗酸化作用をもつカロテンやビタミンCも豊富に含まれています。

過剰摂取は胃腸障害などを起こしますが、適量を料理に加え摂取する分には様々な効能が活かせまし。