トマトの育て方【果菜類・ナス科】

トマトは栄養豊富な上に抗酸化作用も高い夏野菜の代表格。家庭で育てる人も多いのではないでしょうか?
今回は、種から育てるプロの技をお伝えします!
ただし、家庭菜園ように少量の苗なら購入したほうが手間もかからず丈夫な苗が買えるので便利でお得です。完全無農薬を目指したいひとは少量でもできるポット撒きをお試しください。

苗づくり

種まきは2月下旬から始めます。4月初旬ごろまでハウス内で電熱線加温して育苗します。そんなプロ仕様の道具がない方は代用品として、大きめの箱にビニールやガラスで覆い保温します。夜間は藁やコモで覆った上に、ビニールをかけ二重に保温します。

2月下旬
種を湿らせておくと発芽率がアップしますので、前日に湿らせたティッシュにはさんでおきます。昔の人は腹巻のなかに一日入れておいたものをまいたそうです。
トレイにまく場合:1~2cm間隔で条撒きし、薄く土をかけます。発芽したら間引きしてゆとりをもたせます。
ポットにまく場合:間隔をあけて2~3粒まきます。間引きの必要はありません。

3~4月
本葉が出始めたら1本ごとにポットに入れ替えます。葉がビニールにふれてしまうようでしたら、深めの箱を用意して葉がつぶれないようにする。

4月中旬以降
日中の暖かい日はビニールをはずして直射日光にあてる。大きくなるにつれて、となりのポットの苗っと葉が重なりあってきたら間隔をあけて葉の重なりを防ぐ。本葉が4~5枚のころ5号ポットに移し替える。一番花が咲き始めるころに定植する。

土づくり

苗の育ちをみながら定植の3週間前から準備を始めます。元肥が強いと茎葉ばかりが茂って実つきが悪くなったり奇形が多くなったりするのでやりすぎには注意する。
3週間前:堆肥(発酵牛ふん等)3kg/㎡
2週間前:炭酸苦土石灰150g/㎡
1週間前:わかば有機60g/㎡、IB化成20g/㎡

定植

定植前にポットを丸ごと水にくぐらせてしっかり吸水させておく。40cm間隔で植え付ける場所を決める。ミニトマトなど2本立てをしたい場合は、余分に20cmほど植穴をあけ水をさしておき、水が引いたのを確認して、第一花房を通路側になるようにして植え付ける。やや浅めに植える。深植えは禁物。植え付け後の寝つきを良くするには、過リン酸石灰300倍液を一回ほどこすとよい。
※過リン酸石灰は初期育成を助けるために施しますが、時間をかけてしっかり根をはるので施さなくても大丈夫です。

整枝・誘引

主枝の葉の付け根から出るわき芽は、全て早めに切る。株を増やしたいときは、切って1時間以内に土に指しておくと根張りがよくなります。
誘引のポイントはトマトの果房の向きです。花房は同じ向きに出てくるので、植え付け時に通路側に向けた花房を同じ向きのまま支柱にくくります。茎が大きくなることを見越してゆとりをもって結ぶ。20cm間隔でとめると頭がさがりにくい。
第6花房の上の葉を二枚残して主枝を摘み取ると、栄養が果房にいくようになります。

追肥

第一果がピンポン玉くらいで1回、その後20日後に2回目の追肥をする。肥料が多すぎると茎葉が茂りすぎて果実の育成が悪くなるので、状態をみながら加減するとよいでしょう。
追肥:わかば有機70~80g/㎡

よくある育成の不調

尻腐症
一見すると病気のようで、尻ぐされ病と言ってしまう人もいますがカルシウム不足が原因で起きる生理障害です。カルシウムを含んだ苦土石灰などを施しましょう。また、土壌にカルシウムが十分にあっても窒素肥料が過多だと吸収が妨げられるので、施肥には注意をしてください。栄養素を適度にあたえても症状がでる場合は、水分不足で吸収しきれていない場合もあります。トマトは水分を控えめにしたほうが良いですが、様子をみながら水やり量を増やしてみてください。