ピーマンの育て方【果菜類・ナス科】

夏野菜として扱われることの多いピーマンですが、適度に追肥を与えて丈夫に育てることで、11月初旬まで長く収穫を楽しむことができます。播種から定植まで80日近くかかるため、種から育てるよりも苗をかったほうがお手軽なこともあります。好みの品種の種があるとき、完全無農薬で苗から作りたいときには、ぜひ挑戦してみてください!

苗づくり

種まきは2月下旬から始めます。4月初旬ごろまでハウス内で電熱線加温して育苗するのですが、そんなプロ仕様の道具がない方のが多いですよね。代用品として大きめの箱にビニールやガラスで覆い保温します。夜間は藁やコモで覆った上に、ビニールをかけ二重に保温します。

2月下旬:播種
種を湿らせておくと発芽率がアップしますので、前日に湿らせたティッシュにはさんでおきます。床暖房やホットカーペットと座布団の間に数日置いておくと、根が出始めてきます。しめらせた種まき用土に指でしっかり押し付けて、軽く土をかけます。
トレイにまく場合:1~2cm間隔で条撒きし、薄く土をかけます。発芽したら間引きしてゆとりをもたせます。
セルトレイにまく場合:72穴のセルトレイがお勧めです。一粒ずつまいてください。
ポットにまく場合:間隔をあけて2~3粒まきます。間引きの必要はありません。

3~4月:植替え
本葉が出始めたら1本ごとにポットに入れ替えます。葉がビニールにふれてしまうようでしたら、深めの箱を用意して葉がつぶれないようにする。
※トレイのみです。セルトレイ、ポットはそのままで大丈夫です。

4月中旬以降:植替え
日中の暖かい日はビニールをはずして直射日光にあてる。大きくなるにつれて、となりのポットの苗っと葉が重なりあってきたら間隔をあけて葉の重なりを防ぐ。本葉が4~5枚のころ5号ポットに移し替える。一番花が咲き始めるころに定植する。

土づくり

植え付けの3週間ほど前から準備を始めます。
3週間前:荒起こし 堆肥2~3kg/㎡
2週間前:土壌改良 炭酸苦土石灰120g/㎡
1週間前:元肥 わかば有機100g/㎡

定植

5月上旬以降、地温があがってきてから植え付ける。深植えは避ける。低温にあたると育成が阻害されるので、マルチをして地温をあげておくとよい。黒マルチは雑草対策にもなります。

整枝・支柱

初期の育成を旺盛にするために、一番花より下の葉の横から生えるわき芽はかき取っておく。葉は栄養を作るので枝ぶりがよくなるまで残しておく。自然と4本に分かれてくるので、主枝を決めて仕立てをします。ピーマン類は根が浅く、枝も細くて折れやすいので、早めに支柱を立てて誘引する。

追肥・水やり

根が細いので、乾燥や肥料切れには注意する。追肥は一度に与えるのではなく20日程度の感覚をあけてやる。品種によっては乾燥すると辛みが増すので、水分保持をするために畝に敷き藁などをしておく。
追肥:わかば有機20g/㎡

収穫

一番果は早採りする。2番果以降も30g~40g程度で収穫。目安としては開花後15~20日程度。大型果は100gくらいで収穫するとよい。枝の勢いが弱っているときは、早採りして栄養を分散させる。

多く取れすぎたときの保存法

室内に放っておくと色がくすみ品質が悪くなってきます。冷蔵庫に入れて保存するのをお勧めしますが、もともとは高温性の野菜なので冷えすぎは禁物です。10℃前後が保存に適した温度です。
朝、まだピーマンの果実温が上がっていないときに果梗(果実を支える柄)をやや長めにつけて収穫し、すぐにポリ袋にいれ冷蔵庫の野菜室に入れておきます。果梗を長めにつけて収穫すると、果実の乾燥を敷設のに効果的という実験結果もあります。ただし、長すぎると果実に刺さったりして果肉を傷めることもありますので、容器に入れる際には注意してください。果皮が乾いてから冷蔵庫に入れると、品質維持の効果が薄れてしまいますので、収穫後に放置せず早めに行ってください。