土壌の質は、長い年月をかけてその土地に集積されたものが表層に表れます。川が近かったり、山が近かったりすると分かりやすいのですが、川の近くでも田んぼをやっていたところに土をもり畑にすると、土壌の質は変わってきます。大きく分けて粘質土と砂質土の改善方法をお伝えします。基本的には堆肥を施しますが、それぞれの質にあった土壌改良材を同時に投入することで、さらに改善されます。
粘質土
粘質土の問題点は、排水性と通気性がないことです。保肥力、保水力が高いので、長年肥料をやりすぎることで過剰に肥料を蓄積してしまい、乾くと地表がカチカチに固まり、耕しにくくなったりします。
堆肥と川砂を入れる
土づくり効果の高い堆肥を年間2~3kg/㎡入れ続けることで、排水性と通気性を良くします。土壌改良材として、川砂やパーライトなどを5L/㎡同時にいれることで、土中の隙間ができやすく効果がすぐに発揮されます。堆肥のように分解されることがないため、長い間効果が期待できます。
緑肥植物をすき込む
クローバー、レンゲ、エン麦などのマメ科やイネ科の緑肥植物も利用できます。春に種をまき、7月ごろに青いまま刈り取り細かく切って土にすき込みます。9月には作付けが可能です。土中で腐熟して土質の改善に役立ちます。
砂質土
砂質土の問題点は、保水力が弱いため水分不足になり、夏場は乾燥しやすく育成を阻害します。また、水と一緒に肥料も流れていきやすいため保肥力が低くなります。
粘質土と堆肥を入れる
粘質土を2kg/㎡入れて保水力を高めます。その際、堆肥も3kg/㎡ほど加えること。粘質土だけを入れると砂の間でカチカチに固まってしまうので、必ず土づくり効果の高い堆肥を同時に入れます。投入後は十分に耕します。畑全面に入れる量がない場合は、作付けする畝の下に入れるだけでも効果はあります。
肥料はこまめに与える
土壌が落ち着くまでは、肥料が流れ出やすいため元肥を含めての1回の施肥量を少なめにする。数回に分けて最終的な肥料成分が同じになるようにこまめに与える。